【ガーバー読書会報告】「起業家」「マネージャー」「職人」ー3つの人格

ガーバーオンライン読書会は、経営者や起業家を対象とした月1回の読書会グループです。「はじめの一歩を踏み出そう」(マイケル E ガーバー)の読書会を行っています。
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『始めの一歩を踏み出そう』では、スモールビジネスの経営者の内側では「起業家」「マネージャー」「職人」という三つの人格の争いが起きていると書かれています。

「起業家」は変化を好む理想主義者。

「マネージャー」は管理が得意な現実主義者。

「職人」は手に職をもった個人主義者。

「起業家」が新しいアイディアを思いつき、「マネージャー」が実現させ、「職人」が実行する。そんな風に三つの人格がバランスよく出たり入ったりして事業を上手く回していけるといいのですが、実際はそうはいかず、「起業家」は、役にもたたないアイディアを言うだけ。「マネージャー」は「職人」の個性を潰そうとする。「職人」は自分だけの殻に閉じこもってしまう…そうやって、なにかの人格が優位になると他の人格が不満を持ち、なかなか上手くいきません。

本書によると、スモールビジネスの経営者は70%が職人タイプだそうです。

ところであなたはどの人格?

3つの人格について読んで、ファシリテーターの津田さんから「あなたはどの人格だと思いますか?」と質問があり、順番に自分の思う人格を答えていきました。

私は「新しいことを話すときワクワクして始めたくなるので起業家だと思う。会社を経営している友達に、私と話すと新しいことが進みそうに感じると言われ、相談を受けることもある」と自信満々に答えました。しかし、「起業家というよりマネージャー的役割を求められているんじゃないですかね」と言われてしまいました。

起業家体質の人はもっとクレージーな情熱で突っ走っているような人が多い。ひとの話を聞くより自分の話を語る方が得意だと。

たしかに…言われてみるとそのような気もしてきました。

私は、かつて映画監督を目指していました。でも、「向いてないな…」と思ったエピソードが一つあります。

映画の助監督をしていた10年以上前の頃の話です。シナリオライターを目指していた友人が、撮影中のドラマで「ちょっとワンシーンを書いてみない?」と言われ、派手に建物を爆破させるシーンを書きました。けれど、「面白いけど、そんな予算はない」とボツにされてしまったそうです。

同じ頃、私は、撮影場所が確保できなかったあるシーンを道端で簡単に撮影できるようにシナリオを書き変え、採用され、予算と撮影時間の大幅なカットに貢献していました。

爆発のシーンを書いた友人は「とにかく面白くしたかったら予算とか、実現可能かとか少しも考えなかった」と言いました。そして、その後、大人の事情や予算の為に妥協しなければいけないドラマの世界に見切りをつけ、より自由に書ける小説家になって成功しました。

一方、私はできる範囲でまあまあな妥協点を探るタイプ。スタッフとしては重宝しそうに思うし、自分自身も改善点を見つけたときは思わずガッツポーズをしたくなるくらい嬉しい。

でも、監督やシナリオライター、クリエイターとしてはどうだろう…と一つの悩みがうまれました。小説家になった友人のように爆破のシーンを書いてしまうような向こう見ずな情熱が必要なのでは?まあまあな妥協点を探ってる私には面白いものはできないかもしれない…。私は映画監督になれそうもないなと感じてしまいました。

このエピソードのクリエイター=起業家だと言うことかもしれない…

とその時の気持ちを思い出しました。他の人のクレージーな考えの実現をサポートする「マネージャー」の方が自分らしい気がしてきました。

三つの人格を意識しよう

自分らしい人格は意外と自分では気がつかず、ひとに指摘されハッと気がつくのかもしれません。

とはいえ、自分らしい人格というのがあっても100%その人格という訳ではありません。その割合は人それぞれに違いますが、私たちの中にはその三つの人格が全て備わっています。三つの人格のバランスがとれたとき、驚くような能力を発揮できるそうです。

「起業家」の人格が優位のときに、新しいことを始めたけれど、「マネージャー」が上手く機能せず、「職人」の人格に逃げ込んでしまう…私も経験のある典型的な失敗パターンです。

「今は、「マネージャー」の気持ちで管理しなければいいけないときだ」「起業家の人格を優位にさせてチャレンジするぞ」など自分の中の人格を意識すること。1日のうち、どの時間にどの人格が優位になっていたか振り返ってみましょう。「職人」だけ…となったら経営者としては危険信号です。

一番難しい「起業家」の人格を呼び醒すには「起業家」的なキャラクターの経営者さんに会いに行くのが一番だそうです。

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