「積ん読解消クラブ」の読書会が行われました。
今回の参加者は3名。ジャンルの違う本であるにもかかわらず共通項があり思わぬ発見や面白さがありました。
- 『褒め活』堀向勇希 (著)
- 『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』安宅和人 (著)
- 『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース(著)
1冊目『褒め活』
読んだ人:megumi
●自分を褒めて満たす
潜在意識に良い言葉を入れる。例えば「自分はすごい」という言葉を1日100回10日間。あらゆる成功者が言葉を変えると人生が変わる」と言われている。
●褒めることの絶大なる効果
- 人は褒められると次の期待に応えようとする
- 人は喜ばれると嬉しいという特性を持っている
- 良い謙遜も必要。
例えば「いえいえ、そんなことないですよ。でもありがとうございます。」
謙遜しながら相手の言葉を最終的に受け取る。
●褒めるタイミング
- いいなと思った時、すぐに。何気なく思いついたことをすぐに言葉にする。
- 当たり前のことも褒める。
●褒め方の技術
- 褒め言葉を集める
例として… 雰囲気を褒める場合
「華やかな方ですね、爽やかな方ですね、風情がある人ですね」etc… - マイナスを褒め言葉に置き換える
例として..神経質→細かいことが得 - 例えで褒める
明るく朗らかな人には → 花のような笑顔ですね - 質問に褒め言葉が入っている
- 本人がいないところでも褒める
- 存在そのものを褒める無条件の愛。
できてもできなくても褒められる、
愛されていると感じると子供は安心して自然に伸びる
- 子供の潜在意識は開いている
- 子供のアイデアを否定しない
- のけぞるぐらい大げさに褒める
- ソフトバンクの孫さんはお父さんがびっくりする程褒める人だった。
- 言葉プラスエネルギーで褒める
【感想】
素直に褒める、褒められることに慣れていない私にとって褒め言葉で溢れているこの本を読むだけで気持ちが向上しました。円滑なコミュニケーションを取る上で欠かせない褒め活。来年からは褒め活を生活の軸において周囲の人に対して褒め言葉を実践していこうと思います。
おねま
はる
2冊目『シン・ニホン AI✖️データ時代における日本の再生と人材育成』
読んだ人:はる
「この国は、もう一度立ち上がれる。」
今回は6章あるうちの3章と4章を紹介。
・AI時代の人材育成は何が課題で、どう考えたらいいのか?
・この変化の時代、子どもにはどんな経験を与え、育てればいいのか?
3章「求められる人材とスキル」
今までの大量生産の時代からこれからは「創造」「刷新」こそが大切な時代になる。そうすると日本の教育システムはそもそものゴール設定が間違っており刷新の必要があるという
異人の時代
これからは誰もが目指すことで1番になる人よりも、あまり多くの人が目指さない領域あるいはアイディアで何かを仕掛ける人が、圧倒的に重要になる。こういう世界が欲しい、イヤなものはイヤと言える人たちだ。1つの領域の専門家というよりも、夢を描き複数の領域をつないで形にしていく力を持っている人がはるかに大切になる。
普通の人と違う「異人」は少ないが、異人が大切だと思う社会でなくては
異人は秩序を乱す人として潰されてしまう。
「スポンジ力」より「気づく力」
今までは暗記した項目を増やすことが人より秀でていることだった。「覚える力」が重宝されてきた。だが吸収する力は本来はキカイが得意の分野だ。
人間の肌感覚で価値を理解でき、対象とのぶつかり合いを通じ自分なりに
引っかかる力「気づき」が必要。
4章「未来を創る人」をどう育てるか
ゾクゾクするほど素晴らしい未来を仕掛ける人を育てるのに特に重要だ
と考える6つの育成ポイント
- 意思、自分らしさ、憧れ
・作業内容ではなく意味目的を主として教える。
・体験する、ものを読む中でのその人なりに感じること、引っかかることを優先し、そこから生まれる気持ちを育てる。
・近代・現代に偉業をなし遂げた人の話に触れ考えさせる。
・「その人らしい知覚と深み」の育成を阻害している仕組みを取り除く - 皮膚感を持って価値を生み出すことを理解する
- サイエンスの面白さと君への理解を深める
- 夢×技術×デザイン視点で未来を作る教育を刷新する
- 道具としての世界語を身につける
- アントレプレナーシップの素養
(事業を生み出すための基礎素養)
【感想】
ここに紹介したのは3章、4章の本の一部で、AI✖️データ時代に必要とされる人材は今までよしとされていた教育では目指せないこと。知覚する力は経験から生まれる。興味深かったのは「知りすぎ」は必ずしもアイデアや気づきの増大につながらないというデータ。なので集めすぎ、知りすぎが起きていない段階の若い人から新しいアイデアが生まれ、そこから未来が創られることがあるということ。世の中の変革のスピードに教育のあり方そのものを早急に見直す必要があると感じました。
megumi
おねま
3冊目『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』
読んだ人:おねま
2016年のベストセラーの再読です。
要するに、どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、それがふたつの形となって表れていた。第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。第二に、自分がなにを求めているのかよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ。
このように、見事に結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり「グリッド」(やり抜く力)が強かったのだ。
1度目読んだときは、内容に満足したはず…
だけど今では、
「私はグリッドスコアゼロだな…」
「高校生のとき部活をやっていた方が良さそうだ」
という記憶しか残っていませんでした。
今回この本を再読したのは、自分が全く持ち合わせておらず、そのことに後悔しているグリッドという能力を娘に身につけて欲しいと思っているから。そしてそのためには「親としてどう振舞った方がいいのか?」というテーマが心に湧き上がったからです。
この本では、グリッドが強い人(そのジャンルのエキスパート)は意図的な練習を行なっているといいます。意図的な練習とは、闇雲に何時間も練習をすることではなく、「カイゼン(改善)」のように自分の問題点を認識し、それを集中して修正している練習のことです。
でも、そのように意図的な練習ができる人になれるのか?そもそも、そこが大変そうに思いました。
そこで、読書会でメグミさんが「部活を2年間続ける意志だけではなく、計画をたてる能力など、それにまつわる様々な能力を鍛えてこそ「グリッド」(やり抜く力)が身につきそうですよね」と言ってくれたことを思い出しました。
子どもに「やり抜け!」って言うだけでなく、それにまつわる技術(そのジャンルのスキルではなく、効率的な練習方法…など)や考え方(自分のできない点に集中して改善する…など)を伝えていくことなら私にもできるのではないかと思いました。
また本書では、「グリッド」(!)というあだ名を持つ父親のエピソードが紹介されています。「グリッド」は大学のフットボールチームの中で挫折感を味わった息子が「大学を辞めて家に帰りたい」と言ったときに「やめたっていいさ。…だが意気地なしをこの家に住まわせるわけにはいかない」と突き放します。
それまでも、どんな挫けそうになっても練習を辞めさせてくれなかった「グリッド」。しかし、息子はその父親を暴君だとは思っていないといいます。
「父は私に、自分と同じようになってほしい、と思っていたわけではありません。大切なのは、親が子どもに安心感を与えることです。父は私が小さいことから、『お父さんはおまえをコントロールして、自分のような人間にしようなんて思っていない。何でも言う通りにやらせて、自分が実現できなかった望みをかなえてほしい、なんて思っていない』とわからせてくれました。それどころか、『いつも全力で応援するよ』と伝えてくれたんです」
賢明な育て方は「子どもに厳しい要求をしながらも、支援を惜しまない育て方」です。
「温かくも厳しく子どもの自主性を尊重する親」をもつ子どもたちは、ほかの子どもたちよりも学校の成績がよく、自主性が強く、不安症やうつ病になる確率や、非行に走る確率が低いことがわかった。
今、娘は「バレリーナになりたい」と言います。その道や学校の勉強でやり遂げられるように支援を惜しまないようにしつつ、暴君にならず本人の自主性も尊重できる親になりたいと思いました。
この本を深く読んでみたいと感じました。
megumi
はる
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